コーヒーで本当に勃起が良くなるのか？

2023/5/4 ED（勃起不全）

研究によると、1日に2～3杯のコーヒーを飲む男性は、勃起不全になるリスクが他の人より40％低いことが分かっています。これは、カフェインが陰茎の勃起機能に有益な効果をもたらす薬理反応のカスケードを誘発するためです。

勃起機能は、男性にとって常に気になるテーマであるようです。悩みを抱えている人はため息をつき、そうでない人も「勃起力が足りない」と悩むことが多いようです。しかし、勃起機能の問題が本当に性交に影響を与えるほど深刻なものであれば、それを勃起不全と定義することになるでしょう。

勃起不全の対処法としては、例えば生活習慣の改善、適度な運動による健康的な食事、性行為療法や薬物療法による問題解決など、様々な選択肢があります。

では、こうした従来の方法とは別に、勃起不全を改善するためにできることはあるのでしょうか。アメリカの研究では、新たな選択肢を提示しています。この新しい選択肢は、薬ほど高価ではなく、運動ほど維持が難しくなく、逆にコーヒーというおいしいご馳走が手に入るのです！

コーヒーには勃起機能に対する有益な効果がある

コーヒーには多くの健康効果があることは、さまざまな研究で明らかになっているので、研究者たちは、コーヒーが勃起不全にも効果があるのかどうかを確かめたいと考えたのです。なぜなら、コーヒーは結局のところ、ほとんどの人にとって身近な飲み物であり、簡単かつ安価に手に入れることができるものだからです。

この研究では、20歳以上のアメリカ人男性3,700人を被験者としました。コーヒー、紅茶、ソーダ、スポーツドリンクなど、カフェインを摂取する可能性のある食品を含め、日中の飲食物を記録するよう求められた。また、これまでの人生で勃起に問題があったかどうか、性交に問題があったかどうかも報告させた。

その結果、1日に2～3杯のコーヒーを飲む男性は、勃起不全のリスクが他の人に比べて40％低いことがわかりました。このデータは、太り過ぎや肥満、高血圧など、勃起機能障害の危険因子が高い男性にもまだ当てはまります。しかし、残念ながら、糖尿病の男性にはカフェインは効きません。

なぜコーヒーにそのような効果があるのでしょうか？

研究者は、この効果の生物学的メカニズムとして考えられるのは、カフェインが薬理反応の連鎖を引き起こし、ペニスの螺旋動脈を弛緩させ、海綿体の間に分布する海綿体平滑筋を緩めることで、ペニスへの血流が増加することだと説明しています。つまり、カフェインが陰茎の平滑筋や動脈を弛緩させて血流を増加させることで、勃起状態に重要な役割を果たす陰茎の「海綿体」が充血しやすくなり、陰茎の勃起機能に恩恵がもたらされるのです。

コーヒーと勃起機能の関係は研究により確認されていますが、勃起不全に悩む人がコーヒーを飲むだけで問題が解決するわけではありません。コーヒーはサポート機能を持つことはできますが、万能薬ではありません。勃起不全に気づいたら、自分の症状について詳しく調べ、できるだけ早く治療を受けるのが一番です。

カフェインはEDを予防・治療するものではありません

カフェインはEDに良い影響を与えることが分かっていますが、コーヒーを多く飲むことでEDを予防・治療するという考え方はあまり良くありません。というのも、カフェインとEDの改善との直接的な因果関係は、研究によって明確に示されていないためです。カフェインの摂取は1日最大2～3杯までとし、EDとカフェインの関係はあくまで参考程度にするのがよいでしょう。場合によっては、EDを単独で治療することが可能です。

カフェインがED治療薬に与える影響

バイアグラやシアリスは非常に有効なED治療薬です。すでに治療薬を服用されている方、または服用を検討されている方は、カフェインが治療に与える影響を心配されているのではないでしょうか？結論から言うと、ED治療薬の服用前後にカフェインを摂取することは基本的に問題ありません。バイアグラなどのED治療薬は食べ物の影響を強く受けますが、飲み物は影響が少ないとされています。ただし、心血管疾患のある方は、心臓への負担を軽減するために、コーヒーとED治療薬の同時服用は避けたほうがよいでしょう。